診療案内
Treatment
産科
Obstetrics
妊婦健診とは、お母さんとお腹の中の赤ちゃんの健康状態をチェックするために定期的に行う健診のことです。
尿検査や血圧測定、体重測定、腹囲(おへそ周りの長さ)・子宮底長(恥骨の上から子宮の上端までの長さ)測定、血液検査などが行われます。
また、医師や助産師などに、妊娠・出産・育児に関する相談をして、妊娠期間中を安心して過ごし ていただくことがとても大切です。
助産師外来や両親学級、マタニティヨガやマタニティビクスなど各種教室も開催しております。
皆様の妊娠生活が快適に過ごせるようにサポートしてまいります。
1~2週間に1回の検診(妊娠初期)
受診して正常な妊娠かどうかを確認
12週頃までに出産予定日を決定
3週間に1回の検診(妊婦健診初期)
妊婦健診の開始
初期血液検査、感染症検査や子宮がん検診出生前診断など
マタニティヨガ、マタニティビクス
2週間に1回の検診(妊婦健診中期)
中期、後期血液検査、4D超音波
助産師外来、母親教室、無痛分娩の説明など
里帰り出産のための受診
34週頃に分娩予約金の預かり
1週間に1回の検診(妊婦健診後期)
出産のための入院準備
バースプランの作成
健診時の胎児心拍モニター
無痛分娩、計画分娩も対応
妊娠初期:(妊娠成立~妊娠11週頃) 1~2週間に1回
妊娠検査薬で陽性が出た、月経が遅れている、吐き気や疲れやすさなどがあり体調がすぐれないなど、妊娠が考えられる場合は、まず受診をおねがいします。経腟超音波検査、経腹超音波検査、尿検査による妊娠判定などにより妊娠の有無を判断します。
妊娠には異所性妊娠(子宮外妊娠)や胞状奇胎など、治療が必要な異常妊娠の可能性も考えられるため、早めの受診をお願いします。
子宮内に赤ちゃんの姿が見えて、2cm程度の大きさ(およそ妊娠9週)を超えてきましたら出産予定日(妊娠40週0日となる基準になる日)を算出して、妊娠届出書を作成してお渡しします。
母子手帳はお住まいの地域にある役所や各自治体で申請・交付となります。
詳しくはスタッフへお尋ねください。
妊婦健診初期(妊娠12週~妊娠24週頃) 3週間に1回
母子手帳と妊婦一般健康診査票(妊婦健診費用の補助券)をお持ちください。
超音波検査で赤ちゃんの心拍確認、大きさのチェックも行います。初期は主に赤ちゃんの頭の大きさで成長具合を確認していきます。
妊娠15~16週頃より胎盤が完成し、体の状態は安定してきます。しかし、お腹のハリや腹痛、性器出血などの症状が出なくなるというわけではないので、無理のない生活を心がけましょう。
症状がなく安定している妊婦さんは、無理のない運動で心も体もリフレッシュし、楽しく健康的なマタニティライフを過ごしていきましょう。
当院ではマタニティビクス、マタニティヨガの教室を開催しております。
詳しくは教室案内のページを御覧ください。
基本的な初期妊婦健診の内容は以下の通りです。
・血圧測定 ・体重測定
・尿検査(尿蛋白、尿糖) ・腹囲測定 ・子宮低長測定
【12週~15週頃に1回】
・血液検査(血液型、不規則抗体、血算、血糖、B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIV、血糖検査、風疹抗体、麻疹抗体、サイトメガロウイルス抗体)
・子宮がん検診
妊婦健診中期(妊娠24週~妊娠36週頃) 2週間に1回
超音波検査で赤ちゃんの心拍確認、大きさのチェックも行います。
中期以降は赤ちゃんの頭の大きさ、腹囲、大腿骨長から推定体重を算出し、成長具合を確認していきます。
また、赤ちゃんの脳、心臓、体の中の大きな血管、胃、腎臓、膀胱などの臓器、胎盤の位置などに異常がないか細かくチェックを行っていきます。
基本的な中期妊婦健診の内容は以下の通りです。
・血圧測定 ・体重測定 ・尿検査(尿蛋白、尿糖) ・腹囲測定 ・子宮低長測定
【妊娠24~26週頃に1回】
・血液検査(血算、血糖、HTLV-1抗体) ・腟内クラミジア検査
【妊娠34週~36週頃に1回】
・血液検査(血算、血液凝固機能) ・腟内B群溶連菌感染検査
妊婦健診後期(妊娠36週~妊娠41週頃) 1週間に1回
以下の症状がある方はお産の兆候となりますのでご連絡を頂いた上で来院をお願いします。
その他、大量出血、異常な腹痛、胎動がまったくわからなくなったときなどはお電話をしていただき、直ちにご来院ください。
予定日(妊娠40週0日)を過ぎましたら、赤ちゃんやお母さんに様々なリスクのある過期妊娠(妊娠42週以降)にならないように注意が必要です。
必要な妊婦さんにおいては、外来医師と相談して分娩時期を検討していきます(計画分娩)。
基本的な後期妊婦健診の内容は以下の通りです。
・血圧測定 ・体重測定 ・尿検査(尿蛋白、尿糖) ・腹囲測定 ・子宮低長測定
・胎児心拍 ・子宮収縮モニター(ノンストレステスト NST)
お腹にモニターを付けた状態で赤ちゃんの心拍とお腹の張りを記録し、赤ちゃんの元気さやお母さんのおなかのはりを確認します。
妊娠38週頃より、毎回妊婦健診前に約20分前後計測をします。
妊娠37週0日から妊娠41週6日までの分娩を正期産、妊娠42週0日以降の分娩を過期産といいます。
過期産となった場合、胎児機能不全や難産などのリスクが増加します。
赤ちゃんが育ち過ぎてしまったり、胎盤が古くなることで機能が低下してしまいます。
赤ちゃんが大きく育ち過ぎてしまった場合には難産や帝王切開になったり、鎖骨骨折などの外傷が起こることがあります。
胎盤機能が低下すると、羊水が少なくなって赤ちゃんが苦しくなったり、羊水が濁ることによる胎便吸引症候群や胎児仮死など赤ちゃんに深刻な合併症が出てしまうリスクが高くなります。
上記リスクを回避するために、当院では妊娠40週を過ぎてきたら分娩の計画を外来で相談するようにしています。
計画分娩の入院日は妊婦さんご本人やご家族の都合なども考慮して決定しております。
母親教室(前期・後期)
母親教室を前期・後期と2つの内容で開催しております
前期
前期の母親教室は月1回開催しております。
妊娠28週までのママに参加してもらい、医師、栄養士、助産師からお話をしています。
医師
妊娠生活の注意点や、妊娠関連の疾患についてのお話をします。
栄養士
妊娠中の食事についてのお話をします。
栄養バランスや意外と知らない身近な食品のカロリーのこと、妊娠中の食事だけではなくお子様の離乳食や食事作りにもつながる内容となっています。
助産師
お腹にいる赤ちゃんの大きさや重さを人形で体験してもらいます。
今の週数だとこれくらいの大きさかな、これからこんなに大きくなっていくんだな、と感じてもらえると嬉しいです。
胎盤や臍の緒、お腹の中でどんな胎位でいるのかなど、人形を使ってイメージが湧きやすいようにお話をしています。
また、生まれてきた赤ちゃんが吸いやすいおっぱいづくりを目ざし、マッサージの方法もお伝えしています。
後期
後期の母親教室は、月2回開催しています。
妊娠28週以降のママが対象になります。
お腹もふっくら大きくなり、胎動も十分に感じるようになって、いよいよお産も近い時期です。
教室の内容はお産や産後の事を扱っており、医師、助産師がお話をします。
医師
医療介入の必要なお産についてお話をします。
分娩誘発の方法や無痛分娩、分娩時出血、常位胎盤早期剥離などについてお話をします。
助産師
お産の進み方や過ごし方についてお話をします。
入院の準備用品や呼吸法など参加者していただいたママ同士でお話をする時間も設けていますので、楽しみや不安など、今の思いを共有していただけたらと思います。また、赤ちゃんのスキンケアの方法や必要性もお伝えしています。
赤ちゃんへのスキンケアはとても大切ですので、産後の赤ちゃんのお世話に、ぜひ取り入れてください。
開催日時
前期(28週まで)…第1木曜 13:30~
後期(28週以降)…第2・第4木曜 13:30~
開催場所
産婦人科4F多目的室
定員
20名
参加方法
受付で申し込みをお願いします。参加費は無料です。
持ち物
母子手帳・筆記用具をご持参ください。
両親学級
両親学級ではママとパートナーの方が一緒に妊娠・出産や赤ちゃんのことについて学んでいただきます。
医師、助産師がお話をいたします。
医師
医療介入の必要なお産についてお話をします。
分娩誘発の方法や無痛分娩、分娩時出血、常位胎盤早期剥離などについてお話をします。
助産師
妊娠週数相当の赤ちゃん人形を使い、抱っこなどの体験(お腹の赤ちゃんがより愛おしく感じると思います)
パートナーに妊婦ジャケット着用体験2~3人(妊婦さんの大変さが理解出来ると思います)
呼吸法・マッサージ法の説明(分娩時に役立ちます)
パートナーからの一言(パートナーの想いが伝わりますね)
赤ちゃんへのメッセージカード作成(赤ちゃんへの心のこもったプレゼントになります)
開催日時
第3(第2)土曜日 14:00~
開催場所
産婦人科4F多目的室
定員
10組
参加方法
受付で申し込みをお願いします。参加費は無料です。
持ち物
母子手帳・筆記用具をご持参ください。
当院は4D超音波検査装置及びエコー動画閲覧サービス導入しております。
4D超音波検査では、お腹の赤ちゃんの様子をリアルタイムで見ることが出来ます。
表情や手足の動きなど、ママのお腹の中で赤ちゃんがどのように過ごしているかがわかります。
※妊婦健診時に一緒に撮影するため、4Dエコーの料金はかかりません。
4Dエコー撮影では、妊娠週数や赤ちゃんの姿勢によっては適切な画像の撮影が困難であったり時間がかかることがあります。
すべての健診時に撮影することは困難となりますのでご了承ください。
エコー動画館という、妊婦健診のエコー検査で録画した動画を、スマホやタブレット、パソコンから、いつでも閲覧できるサービスを導入しております。妊婦健診開始後より専用IDを読み取れるQRコードをお渡ししております。
ご帰宅後も、ご家族と一緒にかわいい赤ちゃんのエコー動画を御覧ください。
週数ごとの赤ちゃんの表情
妊娠13週頃の赤ちゃん
妊娠21週頃の赤ちゃん
妊娠21週頃の赤ちゃん
妊娠23週頃の赤ちゃん
妊娠36週頃の赤ちゃん
妊娠38週頃の赤ちゃん
ばんざいしている赤ちゃん
妊娠12週頃の赤ちゃん
妊娠15週頃の赤ちゃん
光の当たり具合を調整することにより、違った表情を見せてくれます
妊娠36週の赤ちゃんです。
お腹の赤ちゃんの検査には、妊婦健診で全員が受ける検査(ふつうの超音波検査)と、希望した人だけが受ける「出生前検査」があります。
全ての新生児のうち3~5%には何らかの異常(染色体異常、遺伝疾患、先天性代謝異常、奇形など)があるといわれています。
こうした胎児の異常を検査し診断することを「出生前診断」といいます。
これは、夫婦の自発的な意志によって行われますが、倫理的および社会的問題を含んでいます。
出生前診断については、ご夫婦で十分話し合って頂き、私たちにご相談頂くことが重要です。
出生前診断には非確定検査と確定検査があります。
非確定検査
確定検査
出生前診断の種類と時期
1.初期胎児超音波スクリーニング検査
妊娠11週0日~13週6日に赤ちゃんの首の後ろの厚み(NT:Nuchal Translucency)、鼻骨の有無、静脈管血流、三尖弁血流を評価し、21トリソミー(ダウン症)や18トリソミー、13トリソミーといった染色体異常のリスクを計算します。
超音波検査所見からリスク計算を行い当日に結果を説明いたします。
お腹の中の胎児の向きにより、検査時間が長くなったり、後日再検査になる可能性があります。
結果は1/100、1/1000のように分数で示されます。
1/1000とされた人が1000人いたらそのうちのひとりに病気があり、999人にはないという結果です。ゼロという結果が出ることもありません。
示された数値について医師と相談し、確率が高いと考える場合は、羊水検査といった確定診断ができる検査を受けるかどうかを考えます。
首の後ろの厚み(NT)・鼻骨の確認
三尖弁逆流
静脈管血流
2.コンバインド検査
妊娠11週0日~13週6日に2つの母体血清マーカー(free βhCG・PAPP-A)を採血で調べ、超音波検査による赤ちゃんの首の後ろの厚み(NT:Nuchal Translucency)の結果と組み合わせて21トリソミー(ダウン症)や18トリソミー、13トリソミーといった染色体異常のリスクを計算します。
オスカー検査(OSCAR:One-Stop Clinic for Assessment of Risk)とも言われています。
結果は2-3日で出ますので、後日外来で説明を行います。
結果は1/100、1/1000のように分数で示されます。
1/1000とされた人が1000人いたらそのうちのひとりに病気があり、999人にはないという結果です。
基準値(カットオフ値:ダウン症では1/250)を上回った場合に「スクリーニング陽性」となります。
確率が高いと考える場合は、羊水検査といった確定診断ができる検査を受けるかどうかを考えます。
毎週木曜日午後15時~17時 1名/時間
3.NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)検査
NIPTの概要
NIPTは妊娠10週以降に行う検査です。
おなかの中の赤ちゃんが染色体疾患をもつ可能性をみるための検査です。
検査対象となる染色体疾患は21、18、13トリソミーです。
妊娠10週以降に妊婦さんから約10mlの血液を採取して、血液中に浮遊しているcfDNA(染色体が細かく分解されたもの)を分析して結果を出します。
結果は「陽性」、「陰性」、または「判定保留」と報告されます。「陽性」とはその疾患の可能性が高いという意味です。
検査結果が「陽性」の場合には、羊水細胞や絨毛細胞を用いた確定検査が必要です。
また、「判定保留」の場合には、その後の対応について再度相談する必要があります
NIPTでわかること
生まれて来る赤ちゃん100人中に3~5人ほどは先天的な疾患をもって生まれてきます。
この中で染色体が原因の疾患は約25%で、NIPTの検査対象である21、18、13トリソミーは、その約70%です。
NIPT は21、18、13トリソミーの染色体疾患の可能性を調べる検査で、すべての先天性疾患がわかるわけではありません。
4.クアトロテスト
妊娠15週から可能な検査です。
採血のみで行います。
母体から4つの血清マーカー(AFP、hCG、uE3、Inhibin A)を採血で調べ、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、開放性神経管奇形に罹患しているリスクを計算する検査です。
結果は10~14日程度で出ますので、後日外来で説明を行います。
結果は1/100、1/1000のように分数で示されます。
1/1000とされた人が1000人いたらそのうちのひとりに病気があり、999人にはないという結果です。基準値(カットオフ値:ダウン症では1/295)を上回った場合に「スクリーニング陽性」となります。
確率が高いと考える場合は、羊水検査といった確定診断ができる検査を受けるかどうかを考えます。
5.羊水検査
妊娠15週頃から行う検査です。
母親のお腹に針を刺して羊水を採取し、その中に含まれる胎児の細胞から遺伝子を検査します。
直接赤ちゃんの遺伝子を確認しますので確定検査となります。
ただし、すべての遺伝子の異常がわかるわけではありません。
経腹超音波検査により子宮内を見ながら、子宮の血管、赤ちゃんやへその緒、胎盤を避けて安全面に気をつけて行います。
痛みや出血、感染症、破水などのリスクがあり、流産のリスクが0.3%程度といわれています。
検査日は午前中に受診していただき、手術室で検査を行います。
検査後は昼過ぎまで安静にしていただき、超音波検査などで赤ちゃんに問題がないことを確認してから、帰宅していただきます。
外来で医師と相談し検査日を決定します。
検査後3週間程度で結果がでますので、外来で結果説明を行います。
当院で行う事ができる出生前診断と特徴
非確定検査 | 確定検査 | |||
---|---|---|---|---|
1.初期胎児ドック 2.コンバインド検査 |
3.NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査) |
4.母体血清マーカー検査(クアトロテスト) |
5.羊水検査 |
|
対象となる疾患 | 21トリソミー 18トリソミー 13トリソミー |
21トリソミー 18トリソミー 13トリソミー |
21トリソミー 18トリソミー 開放性神経管奇形 |
染色体疾患全般 |
実施可能時期 | 11週~13週 | 10週以降 | 15週以降 | 15週以降 |
流産リスク | なし | なし | なし | 0.3%(1/300) |
検査方法 | 超音波と採血 | 採血のみ | 採血のみ | 羊水を採取 |
検査結果 | 確率(1/〇〇)および陽性・陰性 | 陽性・陰性・判定保留 | 確率(1/〇〇)および陽性・陰性 | 染色体の写真、核型 |
検査の特徴 | 検査時期が早い 流産リスクがない 比較的安価 偽陽性(疾患がないが検査が陽性となる)率が高い |
検査時期が早い 流産リスクがない 高価 陽性的中率が高い |
検査時期がやや遅い 流産リスクがない 比較的安価 偽陽性(疾患がないが検査が陽性となる)率が高い |
確定検査だが流産リスクがある |
1.2.3.4の非確定検査で異常を認めた場合、5の確定検査を行うことを推奨しております
料金表
検査時期 | 料金(税込) | |
---|---|---|
初期胎児超音波スクリーニング検査 | 11週~13週 | 22,000円 |
コンバインド(オスカー)検査 | 11週~13週 | 33,000円 |
クアトロテスト | 15週~ | 27,500円 |
羊水検査 | 15週~ | 130,000円 |
NIPT | 10週~14週 |
遺伝カウンセリング 11,000円 NIPT検査88,000円 |
NIPT検査について
NIPTの結果について
NIPT「陽性」とは、3つのトリソミーのうちいずれかの可能性が高いという結果です。
この検査では診断を確定できません。
診断を確定するためには羊水検査を受ける必要がありますが、0.3%程度の確率で流産が起こります。
「陽性」でもその染色体疾患ではない場合もあります(偽陽性といいます)。
「陽性」の場合、結果に関する詳しい説明やその後の対応について遺伝カウンセリングを受ける必要があります。
NIPT「陰性」とは、3つのトリソミーの可能性が低いという意味です。
3つのトリソミーでない確率はいずれも99.9%以上ですが、100%否定できるわけではありません。
非常にまれですが、陰性の結果がでたとしても染色体疾患のある場合(偽陰性)があります。
3つのトリソミー以外の先天性疾患もあるため、「陰性」だとしても、赤ちゃんに病気などがないことを示すわけではありません。
NIPT「判定保留」とは、「陽性」か「陰性」かの判定ができないという結果です。
0.3~0.4%ほどの確率で「判定保留」となることがあります。
その後の対応(再度NIPTを行う、NIPTでの検査をあきらめる、羊水検査などを行うなど)について再度相談する必要があります。
再検査の場合、費用はかかりません。
NIPT検査の特徴
1
赤ちゃんへのリスクがない
ママの採血だけで、生まれる前の赤ちゃんの一部の染色体異常を検査できます。
流産などのリスクがなく、安全に行える検査です。
2
早い時期から診断が可能
NIPTは妊娠10週頃から検査可能です。
他の非確定検査は早くても妊娠11週頃からの検査となるため、早い時期からの検査が可能となります。
3
診断精度が高い
従来の非確定的検査では、21トリソミーの検出率はクアトロテストやコンバインド検査で約80%程度となります。
対して、NIPTでの21トリソミーの検出率は99%と精度が高く、赤ちゃんの染色体疾患(21・18・13トリソミー)をより正確に発見することができます。
NIPT検査は精度の高い検査ではありますが、検査結果が陽性であっても実際に赤ちゃんが染色体数異常であるとは限りません。
この検査で陽性となった場合は必ず、羊水検査による確定検査を行う事が必要となります。
NIPTを受ける前にもう一度確認していただきたいこと
検査前の遺伝カウンセリングを通じてこの検査のことをよく理解し、ご自身とパートナーにとって必要があるかどうか十分に考えて納得したうえで、検査を受けるかどうかを決めてください。
NIPTを受けても受けなくても、お二人で十分に検討された意思決定は最大限に尊重されます。
その他
一旦同意書を提出されても、検査前にはいつでも取り消すことができます。
いかなる場合においても採血検査施行後は費用の返金はできません。
検査結果は約10日後に出ます。受診していただき外来で結果の説明を行います。
当院および検査の委託先では、個人情報は適切に取り扱い、情報の保護に留意します。
当院での検査結果は、個人情報を含まない形で運営委員会に定期的に報告されます。
また、学会や論文発表に検査結果を使用することがあります。ご了承ください。
当院は出生前検査認証制度等運営委員会において、NIPT を実施する連携施設として認証されております。
また、基幹施設の三重大学医学部附属病院と連携して対応をしております。
NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)受診の流れ
遺伝カウンセリング予約
遺伝カウンセリング
採血検査
検査結果説明
約10日後に結果の説明を行います。当院に受診していただき外来で結果の説明を行います。
NIPT事前学習資料および同意書
出産後、自宅に帰ってから赤ちゃんと一緒に過ごすうちに、お母さんには様々な疑問や不安が出てくると思います。
「こんな時はどうしたらいいの?」「ちゃんと子育てできているんだろうか?」「赤ちゃんのこんな仕草は大丈夫?」など、当院スタッフにお話をしてください。
今後も安心して育児をしていただくための大切な時間です。なんでもご相談ください。
(費用は公費負担となりますが、県外からの里帰り出産の方は各自治体の対応となります。受付やスタッフにご相談ください)
産後2週間健診
出産後、約2週間にお母さんと赤ちゃんを対象に受診していただく外来です。
診療内容
お母さん
尿検査、体重測定、血圧測定、助産師と相談、産科医師の診察
赤ちゃん
体重測定、退院後の授乳・育児状況確認
1ヶ月健診
出産後、約1ヶ月にお母さんと赤ちゃんを対象に受診していただく外来です。
診療内容
お母さん
尿検査、体重測定、血圧測定、助産師と相談、産科医師の診察
赤ちゃん
体重測定、退院後の授乳・育児状況確認、新生児科医師による診察
「母乳がちゃんと出ているかどうかわかならい」「赤ちゃんがちゃんとおっぱいを飲んでくれない」「胸が張って痛い」「ミルクを足す量や減らす量が分からない」など、育児中のママはおっぱいにまつわる悩みや疑問がたくさんあります。
当院の母乳外来は、楽しく笑顔で育児ができるようにママのサポートをいたします。
退院後の授乳方法、赤ちゃんの体重増加を確認し、個々に応じた指導を行っています。
里帰り出産などで他院でご出産されたママも、お困りの方は受診していただけます。
電話でお問い合わせください。
性別の決まり方
人間の性別は性染色体の組み合わせで決まります。
男の子はX染色体とY染色体、女の子はX染色体を2本持っています。
精子や卵子には性染色体が1本ずつしか含まれておらず、精子はX染色体かY染色体のどちらか1本、卵子はX染色体が1本含まれております。
Y染色体を持つ精子が受精すると性染色体はXYとなり男の子、X染色体を持つ精子が受精すると性染色体はXXとなり女の子が生まれます。
精子の性質
X精子とY精子は性質が異なります。
そのため、それぞれに適した環境を用意することで、希望の性別の赤ちゃんが生まれる確率が高くなります。
Y精子の性質
X精子の性質
オルガスムスと産み分け
女性が性交によりオルガスムスに達するとアルカリ性の液が分泌され、腟内が酸性からアルカリ性になるといわれています。
したがって男の子を希望する場合は、性交で女性がオルガスムスをできるだけ感じたほうがよいといえます。
腟内は通常酸性ですので、女の子を希望する場合は女性がオルガスムスを感じないで性交をしたほうが条件がよいです。
性交日と産み分け
腟内は通常酸性ですが、排卵日が近づくとアルカリ性になります。
したがって、XおよびY精子の性質を考えると、性交する日を選ぶことである程度の産み分けができるかもしれません。
男の子を希望する場合
排卵日まで5日間くらい禁欲し、排卵日当日に性交し、それ以降は避妊をします。
女の子を希望する場合
排卵日の2日前に性交し、それ以降は避妊をします。
男女産み分けについては確率の高い方法はなく、当院では基礎体温表や超音波検査による卵胞計測から排卵日を推定し、性交日の指導を行っております。
ピンクゼリー・グリーンゼリーといった、腟内の酸性度をコントロールする産み分け用のゼリーは当院では扱っておりません。
また、リンカル(リン酸カルシウム、長期内服により男児出産の確率が高まる)も当院では取り扱っておりません。
当院は母体保護法指定医師の所属する、母体保護法指定施設です。
突然の望まない妊娠や、様々な事情により妊娠が継続が難しいなど、妊娠継続について悩んでおられる方へ、随時相談に乗っております。
おひとりで悩むことなく、まず当院へご相談ください。
中絶手術について
当院では、子宮への負担が最も少なく安全性の高い吸引法によって手術を行っております。
中絶手術は、身体的な負担だけでなく、精神的にも大きな負担となり得ます。
当院では、患者さんに寄り添い、また、適切な医療を提供できるようにしております。
外来で手術前に日程の確認、採血や診察などの術前検査が必要となります。手術は日帰りが可能です。
中絶が受けられる期間
母体保護法により妊娠22週未満(21週6日まで)と定められております。
当院では、妊娠11週6日までの人工妊娠中絶と、妊娠21週6日までの中期中絶に対応しております。
人工妊娠中絶は外来での処置(喘息などの合併症がある場合は手術室での対応)となります。
中期中絶は分娩扱いとなるため、数日間の入院が必要となります。
中絶手術実施への同意
手術には同意書が必要となります。
外来で手術について説明の上、同意書をお渡しします。
ご本人の同意のほか、未成年の方は保護者の方の同意が必要となります。
守秘義務の遵守について
患者さんの個人情報保護について遵守しております。