1. 子宮頸がんとは
子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで発症します。
日本で毎年約10万人の若い女性が子宮頸がんを発症し、毎年約3000人が尊い命を落としています。
日本の若い女性の健診率は低く、早期発見が難しいのが現状で、若い女性の子宮頸がんが明らかに増えてきています。また、検診を受けていても診断がつきにくい種類の腺がんも増えています。
2. ヒトパピローマウィルス(HPV)とは
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性経験のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。子宮頸がんを始め、肛門がん、膣がんなどのがんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に関わっています。特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。
3. 子宮頸がんワクチン
定期健診とワクチン接種の両方が、女性のために非常に重要です。
子宮頸がん予防のためにHPV感染を防ぐワクチンが開発されました。子宮頸がんワクチン接種により、若い女性の健康を脅かす子宮頸がんの発症を約7割予防することができます。
報道されているワクチン接種後のいくつかの症状は、ワクチンそのものによるものではなく、主に接種時の痛みなどによる反応です。痛みや副反応について丁寧に説明することで、最近は接種する方が増えてきています。
副反応が出た場合は、予防接種法により救済がされるワクチンです。
4. 標準的なワクチン接種スケジュール
2価ワクチン「サーバリックス」と4価ワクチン「ガーダシル」は定期予防接種ワクチンです。
定期接種対象年齢は、小学校6年から高校1年相当で、予防接種法に則り無料で接種できます。
3回接種により抗体を獲得することができます。2回目接種は1回目接種から1~2か月後、3回目は1回目から半年後に接種をします。
3種類目のワクチンである9価ワクチン「シルガード9」が、日本でも使用できるようになりました。高校2年生になってしまい、定期予防接種として受けられない方は、9価ワクチンを選ぶ方が増えると思われます。
しかし、このワクチンは定期予防接種ワクチンではありませんので、自費になります。
5. 子宮頸がんワクチン接種について
定期予防接種の子宮頸がんワクチンは4価ワクチン「ガーダシル」をおすすめしています。ワクチン接種は、産婦人科(白子ウィメンズホスピタル)で行っています。
9価ワクチン「シルガード9」も産婦人科で接種を行っていますが、厚労省の指示により全例登録をおこなうワクチンです。そのためのシステムである「ワクチンQダイアリー」への登録が必要です。
初回接種の方はご来院前に「ワクチンQダイアリー」にアクセスし、スマートフォンかタブレット端末で「新規登録」を行って下さい。接種時は毎回必ずスマートフォン等をご持参下さい。