診療案内

Treatment

ピル外来

Pill outpatient

ピル服用の目的

ピルは避妊を目的とした女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲスチンを配合した製剤です。
自費の経口避妊薬をOC(Oral Contraceptive) といい、月経困難症の治療などで使用し、保険で処方される薬剤を LEP(Low estrogen-progestin:低用量エストロゲン・プロゲスチン)配合剤といいます。

低用量ピルは高い避妊効果をもちますが、その他にも月経周期を整えたり、月経に伴う様々な症状(月経困難症など)を軽くする効果もあります。

当院では、安心してピルを服薬していただけるように、初回処方時に薬について詳しく説明しております。
また、ピルの副作用やトラブルに関しては、電話相談も対応しておりますので、初めての方も含めご安心ください。

右表は各種避妊方法を1年間用いた際に避妊に失敗する確率(パール指数)です。

「一般的な使用」とは、間違っていたり継続的でないことがある使用方法を指します。
「理想的な使用」とは完璧に正しく継続的な使用した場合を指します。

ピルは高い避妊率を示していますが、正しく使用することが大切です。

避妊方法理想的な使用一般的な使用
ピル0.38
コンドーム215
女性避妊手術0.50.5
男性避妊手術0.10.15
避妊せず8585

ピルの処方

初回は問診及び必要な検査・診察を行った後、特に問題がなければ1か月分をお渡しします。
2回目以降は、服用継続が安全かどうかを確認するため、血圧測定と簡単な問診表に回答いただいた後、処方します。
年に一度、ピルによる副作用はないかどうかの検査(採血など)をさせていただきます。

自費のピル(経口避妊薬/OC)

当院ではアンジュ21・28を取り扱っています。

保険のピル (低用量エストロゲン・プロゲスチン/LEP配合剤)

月経困難症について保険適用として処方します。

  • ルナベルLD、ルナベルULD
  • フリウェルULD、フリウェルULD
  • ヤーズ、ヤーズフレックス
  • ドロエチ
  • ジェミーナ

ピルの恩恵

ピルには避妊効果以外にも様々な効用があります。

  • 機能性および器質性月経困難症の改善
  • 過多月経の改善
  • 月経不順の改善
  • 月経前症候群(PMS)が軽減します
  • 子宮内膜症の症状改善、手術後の再発予防
  • ニキビ・多毛症に効果があります
  • 卵巣がん、子宮体がん、大腸がんのリスク低下

ピルの副作用

マイナートラブル

不正出血、嘔気、乳房の張りなどがでることがあります。
服用者の約20%に不正出血が出現するとされていますが、服用継続とともに減少することが多いです。
症状が重くなければ、継続して内服することが大切です。

また体重の変化や気分変調とLEP内服には因果関係はないと言われています。

静脈血栓症

静脈血栓症とは、血液が固まってしまい血管に詰まる病気です。
ピルを使っていない人が血栓症を発症する割合は1年で1〜5人/1万人であるのに対して、ピル服用者は3〜9人/1万人と若干リスクが増加します。
特に、喫煙者や肥満の方などはリスクが高くなるため注意が必要です。
血栓症は発症しても適切に治療すればほとんどの場合は治る病気です。

静脈血栓症を疑うACEHSと呼ばれる初期症状は以下の通りです。
このような症状が出たらすぐにご連絡ください。

  • A :abdominal pain
    激しい腹痛
  • C :chest pain
    激しい胸痛、息苦しさ、押しつぶされるような痛み
  • H :headache
    激しい頭痛
  • E :eye/speech problem
    見えにくい、視野が狭い、舌のもつれ、失神、けいれん
  • S :sever leg pain
    ふくらはぎの痛み、むくみ、押すと痛い、赤くなっている

アフターピル(緊急避妊薬)

アフターピル(緊急避妊薬)は、妊娠を希望していないにもかかわらず、妊娠の可能性がある性行為をしてしまった場合に、緊急的に使用するピルです。
受精卵の着床を防ぐための女性用ホルモン剤で、避妊に失敗した性行為後72時間以内に服用することで、望まぬ妊娠を防ぎます。

  • 避妊をしない性交を行ってしまった
  • 経口避妊薬を服用し忘れた
  • コンドームが破損していた
  • コンドームが脱落していた
など

上記のような場合は緊急避妊が必要となります。
できるだけ早くご相談ください。

一般的に副作用は少ないといわれていますが、吐き気や頭痛、不正出血などを認めることがあります。
強い症状がある場合は、いつでもご連絡ください。

子宮内黄体ホルモン放出システム(ミレーナ®)

ミレーナ®とは

ミレーナ®は黄体ホルモンを子宮の中で持続的に放出する子宮内避妊システムです。
黄体ホルモンが子宮内膜に直接働きかけ、子宮内膜が薄くなり、月経量が減り、避妊効果を発揮します。
受精卵が子宮内膜に着床することを防ぎ、高い避妊効果を発揮します。
避妊率は99.9% と非常に高く、効果は5年持続します。
また、月経量が減り月経痛が軽減する効果もあるため、過多月経や月経困難症の方は保険適応となります。

挿入前に一度受診していただき、問診、診察等で挿入に問題が無いかを確認させていただきます。
挿入時期は月経開始日よりおよそ7日以内で、出血量が少なくなったら挿入します。

子宮内のミレーナ

装着後〜使用後

装着後しばらく、性器出血が続くことがあります。
ほとんどの場合、数週間~数ヶ月で出血はとまります。
また、軽い下腹部痛を認めることもあります。症状が強い場合はいつでもご相談ください。
ホルモン剤は子宮のみに作用するため、血栓症、肝機能異常、癌のリスク等、身体に影響はありません。

挿入後1~2ヶ月は自然抜去してしまうことがあるので、挿入位置のチェックのため診察が必要となります。
また、問題がなくても年一回の定期診察が必要となります。
効果の持続は5年となるため、5年経過したら抜去もしくは交換が必要です。

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