2023年10月16日
出生前診断について
出生前診断の種類と時期
1.初期胎児超音波スクリーニング検査
妊娠11週0日~13週6日に赤ちゃんの首の後ろの厚み(NT:Nuchal Translucency)、鼻骨の有無、静脈管血流、三尖弁血流を評価し、21トリソミー(ダウン症)や18トリソミー、13トリソミーといった染色体異常のリスクを計算します。超音波検査所見からリスク計算を行い当日に結果を説明いたします。胎児の向きにより、検査時間が長くなったり、後日再検査になる可能性があります。
2.コンバインド検査
妊娠11週0日~13週6日に2つの母体血清マーカー(free βhCG・PAPP-A)を採血で調べ、超音波検査による赤ちゃんの首の後ろの厚み(NT:Nuchal Translucency)の結果と組み合わせて21トリソミー(ダウン症)や18トリソミー、13トリソミーといった染色体異常のリスクを計算します。
オスカー検査(OSCAR:One-Stop Clinic for Assessment of Risk)とも言われています。結果は2-3日で出ますので、後日外来で説明を行います。胎児の向きにより、検査時間が長くなったり、後日再検査になる可能性があります。
3.クアトロテスト
妊娠15週頃から行う採血検査です。母体から4つの血清マーカー(AFP、hCG、uE3、Inhibin A)を採血で調べ、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、開放性神経管奇形に罹患しているリスクを計算する検査です。結果は10~14日程度で出ますので、後日外来で説明を行います。
4.NIPT
妊娠10週以降に行う検査です。検査対象となる染色体疾患は21、18、13トリソミーです。妊婦さんから約10 mlの血液を採取して、血液中に浮遊しているcfDNA(染色体が細かく分解されたもの)を分析して結果を出します。結果は「陽性」、「陰性」、または「判定保留」と報告されます。「陽性」とはその疾患の可能性が高いという意味です。検査結果が「陽性」の場合には、羊水細胞や絨毛細胞を用いた確定検査が必要です。また、「判定保留」の場合には、その後の対応について再度相談する必要があります。
5.羊水検査
妊娠15週頃から行う検査です。母親のお腹に針を刺して羊水を採取し、その中に含まれる胎児の細胞から遺伝子を検査します。経腹超音波検査により子宮内を見ながら、子宮の血管、赤ちゃんやへその緒、胎盤を避けて安全面に気をつけて行います。痛みや出血、感染症、破水などのリスクがあり、流産のリスクが0.3%程度といわれています。
- 1.2の検査を行う担当医は、胎児評価を行うためのFMF(The Fetal Medicine Foundation)認定ライセンスを保有しています。
- 1.2.3.4の検査は非確定検査であり、5が確定検査となります。非確定検査で異常を認めた場合、確定検査を行うことを推奨しております。
- 1,2検査は完全予約制となります。外来受診時に担当医師にご相談いただくか、電話での予約をお願いします。
毎週木曜日午後15時~17時 1名/時間
- 4の検査は遺伝カウンセリング後に採血検査となります。外来受診時に担当医師にご相談いただくか、電話での予約をお願いします。
遺伝カウンセリング 毎週火・金曜日午後16時~17時 3名/時間
※表クリック、タップにて拡大でご覧いただけます。
料金表
| 検査時期
| 料金(税込)
|
初期胎児超音波スクリーニング検査 |
11週~13週 |
22,000円 |
コンバインド(オスカー)検査 |
11週~13週 |
33,000円 |
クアトロテスト |
15週~ |
27,500円 |
羊水検査 |
15週~ |
130,000円 |
NIPT |
10週~14週 |
遺伝カウンセリング11,000円 NIPT検査88,000円 |